この記事は1990年2月~4月 オーストラリア東側一周した時のツーリング記録です。
3月24日(土) 晴れ所により雨
今日こそはケアンズを出ないと日程的にきつくなる。
昨日と同じくブルースハイウェイを下っていった。
am9:30 途中止まっているバス🚌の運転手から聞くと
この先10km程行ったタリーTullyと言う所で川が氾濫し、
道路まで冠水して行き止りになっていると言う。
このルートは使えないな~。
でも、ここで挫けていてはOFFライダーの名が廃る。
こうなったら、強行手段で奥の山道🏞️を通って抜けようじゃないか。
ケアンズで買った地図🗺️を見ながらこれから行くルートを考えた。
ここはいったんイニスフェール Innisfailまで戻り
レべンショー Ravenshoeから山道⛰️を下ったほうがいいだろう。
エルアリッシュ El Arishからイニスフェールまで走り、
給油した頃にはもうam11:00、
ここからはケネディハイウェイ Kennedy HWY
を雨の中ただひたすら南西へ向かう。
途中行く手を阻むがごとく冠水していた所があったが、自動車🚗が通れるぐらいだったら
俺の愛車も楽々通れるだろうと突っ切って行った。
pm3:00頃マウントガーネット Mt Garnetにて遅めの昼飯🌭をむさぼる。
まだまだこれから長い道のりは続くんだ、焦らず確実に走破しよう。
途中、ケネディデベロップメンタルロード Kennedy Developmental RD
に合流、南へ向かう。
pm5:00頃コンジュボーイ Conjuboyにて給油、
おいおい!ここから街までまだ260kmもあるぜ~。
おまけに、辺りはかなり暗くなってきやがった。
街灯もない田舎の山道🌌、XTのライトだけでは照らす範囲も限られる。
それにこの雨🌧️じゃ視界も遮られて速度も出せないだろう。
今のうちに地図を見てしっかり道を覚えよう。
グレゴリーハイウェイ Gregory HWYを道なりに行けばいいんだな。
日も暮れて真っ暗になった山道をひとりバイクで走ってる。
小さなライト💡が道だけが照らしている状態は、
まるで何もない異空間の中🌀を走っているみたいだ。
ふと、バックミラーを見るとライトの明りが点滅していた。
後ろを振り返ると、一台のバイクが走っていたのだった。
おお、俺と同じ考えをしたやつがいたんだと思って
俺がいったん立ち止まったら、そのバイクも立ち止まった。
不思議に思い再び走りだしたら、そのバイクも走り出した。
なんなんだこいつは、遠目👀に俺を見ているだけなんて。
気になった俺は、バイクを降りて後ろのバイクに近づいて行った。
それは赤いバイク(多分XR600)で赤い雨具(HONDAに合わせたな)
ヘルメットは暗くてわからん。
相手は日本人かもしれないが、ここはカタコト英語で
「ウェハ フロム カントリー」
と、たずねたが
「‥‥‥‥‥」
返事がない。
俺の発音が悪いのかな~。
ここはもう一度、
「ウィア ゴウツウ ツウダーイ」
「‥‥‥‥‥」
やっぱり返事がない。
ラチがあかんし、時間も無いし、タンクの燃料も心もと無い。
ここはほっといて走る事に専念しよう。
バイクに乗って20分、後ろのバイクはまだ付いてくるみたいだ。
道が少し細くなった所に、前からまたライトが見えてきた。
ほう、今度は車🚙だな~。
近づいてきた車は、段々大きくなりトラック🚚に成長した。
道幅はまだなんとか余裕がある。
左に避ければ問題ない。
そのトラックはまだまだ成長をし続け大型トレーラー🚛に変身した。
おいおい!そりゃないぞ。
道幅いっぱい使って走ってるじゃないか!
大型トレーラーはクラクションを鳴らしながらこっちに向かってくる。
行き場のない俺は必死になって左路肩の泥道に突っ込んだ。
やばい!ヤバい!ヤバイ!!
泥で前輪が取られる、後輪が滑る。
左路肩奥は深さ1m以上ある側溝だ、落ちたらまず助からん。
ここで停止しても、重さでタイヤが泥に埋まってしまい
脱出困難になるのは明らか。
それ以前に泥が側溝に流れているじゃないか。
路肩が若干斜めになっているので、後輪が左側に滑って行く。
俺はハンドルを道路側に持っていき、何とか落ちないよう
アクセルを捻ったが後輪はますます滑っていく。
もうダメだ、このまま落ちるしかない。
車体がカウンター気味に右へ倒れていった。
その時、後輪に何か硬いものがヒットし
反動で道路側に戻された。
気が付くと、道路の真ん中に立っているではないか。
通過した大型トレーラーは、俺の無事を確認したのか
そのまま走り去った。
よかった~、マジ助かった~。
九死に一生を得た俺は、その場で一回深呼吸。
心落ち着かせて、また走り出すのであった。
(今のグレゴリーハイウェイのべソルト付近
側溝は無くなっているな。)
20分ほど走って、何か忘れていることに気が付き ふと立ち止まる。
そういや、俺の後ろを走っていたバイクはどうなったんだ?
たしか、俺と同じように泥の脇道通ってたんじゃないか。
バックミラーを見ても何も映らない。
戻ろうにもガソリン⛽が残り少ないので確かめようが無い。
このまま考えても仕方が無いな。
無事なのを祈ってそのまま走る事にした。
pm9:00 チャーターズ・タワーズ Charters Towersの街明かり✨が見えてきた。
街灯を見れるのがこれほど嬉しいとは思わなかった。
俺は今生きてることを実感したひと時であった。
街中の案内看板にてモーテル🏨を見つけ出し、チェックインして
すぐに夕食の買い出しをした。
いや~ホント疲れたよ~。
飯🍕食って、シャワー🚿浴びて、即効に🛌寝よう。
走行距離:650km (無休憩260km)
宿泊:チャーターズタワーズ モーテル A$38(シングル)
後日談
これより2日後
アーリービーチのユースホステル🏨にて新聞📰を見たんだが
『3月20日にグレゴリーHWY べソルト近くで起きた
トラックとバイクの衝突事故にて行方不明であった
ライダーのヘルメット(頭部🧠)が見つかりました。』
という記事だった。
‥‥‥‥?!