この記事は1990年2月~4月 オーストラリア東側一周した時のツーリング記録です。
3月25日(日) 曇時々晴
昨日ケアンズ脱出に成功したし、このまま順調にツーリングで来るだろうと
意気揚々に荷物を積んでいたら、モーテルの管理人から
「一週間も長雨が続いているから通れる道は無いぞ」
と言われた。
ガ~ン!
せっかく苦労して暗い山道を走ってきたのに
ここでも足止めを食らうのか。
まるで神様がここから出るなと言ってるみたいじゃないか。
それでも走り続けるのがオイラのナニワ魂。
スケジュール的にも金銭的にも余裕がないので、
(というかリゾートでバカンスしたいだけ)
行けるところまで行こうじゃないの。
宿を出てガソリンを入れにぺトロールステーション⛽へ
10ℓタンクの内9.5ℓも入ってしまった。
ほぼ空の状態だったんだ、危ない危ない。
そこからフリンダーズハイウェイを走ること20km、
道路上の車がやたらと長い列🚗🚙🚚🚛をなしていた。
気になったので並んでいた車の先を見に行ったら
ドッツウッド Dotswoodに掛かる1kmはある橋が見事に水没🚤していた。
車の人たちがどのくらい深さがあるか渡っていたが、
奥のほうは股下付近🦵まで水がつかり流れも速いため
諦めて戻ってきた。
この道は使えそうにないな~。
一旦戻る事にしよう。
チャーターズタワーズで地図🗺️を見ながらどういうルートがいいか考えた。
前に入ったぺトロールステーションのおやじによると
「セブンティマイルの先は多分通れんぞ」
ならばフリンダーズハイウェイを西に行ったらどうなんだと尋ねたら
「そこは知らね~」
あてにならんおっさんじゃ。
それじゃ、かなり遠回りになるがハグヘンドン Hughendonから
南へ降りるルートを行こうか。
フリンダーハイウェイを西に向かって1時間
カンパスプ Canpaspeで休憩してた時、
ホームステッド Homesteadから来たおっさんが
「あかんわ~、この先通れんようになってたわ」
というのを聞いて
俺は西に向かうことを諦めた。
またまた、チャーターズタワーズに戻ってきた俺は
「南側は山道だから車はだめでもバイクだったら通れんじゃね」
と、淡い期待を抱きながらグレゴリーハイウェイを南へ向かった。
20分後、セブンティマイル Seventymailを通過したので
「おっと、このまま行けんじゃね」
と思い走り続ける。
いくつか、浅い冠水地を楽勝で通過できた。
出発から1時間半、かなり大きな冠水地に遭遇。
歩いて行った処、太もも辺りまで水が来るので
これ以上は進めないようだな。
ふと、横に止まっている車が変だったので
アンちゃんに話しかけると
「実は泥にハマって抜けれないのだ」
というではないか。
確かに、前輪が両方ともヌカルミにはまり
右後輪が少し浮いた状態になっていた。
FRの車だから、空回りするのだろう。
これは助けなきゃと思って
「俺が前から押すから車を動かしてくれ」
と言った。
アンちゃんは
「それは助かる、お願いするよ」
俺はアンちゃんの合図と共に車を前に押すが
後輪は空転するだけで進みはしない。
車を思いっきり前に押しあげようとしても
泥に阻まれて進まない。
こりゃ無理だな、🙅
意気消沈しきったアンちゃんに
「今からぺトロールステーション行ってレッカー車
呼んでくるから、この場所と車種をメモ📜に書いてくれ」
アンちゃんはそそくさとメモを書き俺に渡した。
俺はそのメモを持って今来た道を全速力で走る。
5速が壊れて使えないはずのXTだが
勢い付けて走ってたので思わず5速に入れてしまった。
いつもだったらガラガラ音がするのだが、
今回に限ってスムーズに回ってくれる。
「おお~!こいつ(XT)も元気になってくれた、全開で行くで~」
速度110km/hで無心になって走っていること30分
目の前から大きな車が走ってきた。
車高が高めな銀色の4WD車で
フロントグリルに見慣れたⓉマーク!
おまけにフロントバンパーに電動ウインチが付いているじゃないか。
これは使える!!
俺は、すぐさま止まり 前の車に両手を振って合図を送った。
前の車は少しビックリしたのか、タイヤを滑らせながら斜めに止まった。
車に乗っていたおっさんがビール🍺を片手に
「オマエ、こんなところに止まるんじゃね~😠」
と怒っていたので
「ソーリー、ソーリー、🙇実はこの先で車がスタックしてるんだ」
と言って書いてもらったメモを渡した。
おっさんはメモを読んで納得したのか
「よっしゃ!わかった!!オイラが行ってくるぜ😉」
と、持っていた缶ビールを飲み干し 空き缶を俺に渡して走り去った。
「この空き缶🥫をどうしろというんじゃい‥」
スタックした車は、あのおっさんに任せて
俺はまたまたチャーターズタワーズに戻っていくのであった。
もう行ける道は無いのかな?
確か昨日走ったルートなら行けるかもしれないが…
もうあの道は走りたくないな~。
でも、そこしか通れる道が無いからな~。
考えてみても仕方が無い。
行くだけ行ってみるか。
俺はグレゴリーハイウェイをべソルト方面に向かった。
途中、トラックの運ちゃんから
「この先、警察が道路封鎖🚧していて通れんかったぜ」
と言うのでトラックと一緒に引き返した。
(次の日、新聞🗞️で警察が何をしていたのかを知るのであった)
これで八方塞がり🚫になってしまったな。
それでも、雨が降ってなかったので少しは水が引いているんじゃないかと
ドッツウッドに再び向かったが、やっぱり通行止め❎でダメだった。
しゃ~ないな、今夜もここに泊まるか。
走行距離:300km
宿泊:チャーターズタワーズ ツーリスト パーク A$6